犬と電車に乗るルール完全ガイド|料金・ケース規定から吠える時の対策まで徹底解説

【はじめに】愛犬との電車移動、ルールを知れば怖くない!

「愛犬と一緒に、少し遠くの公園やドッグランに行きたい」「実家への帰省に犬を連れて行きたい」。そう思ったとき、一番のハードルになるのが電車移動ではないでしょうか。

「そもそも犬を電車に乗せてもいいの?」「料金はかかるの?」「もし車内で吠えたらどうしよう……」
そんな不安を抱える飼い主さんも多いはずです。しかし、安心してください。鉄道会社ごとの正しいルールとマナーさえ守れば、犬も電車に乗ることができます。

この記事では、JRや関東の主要私鉄の最新ルール(料金・サイズ規定)から、改札の通り方、車内で吠えさせないための事前準備まで、初めての愛犬との電車移動で絶対に失敗しないための知識を完全ガイドします。

そもそも犬は電車に乗れる?基本ルールを確認

結論から言うと、日本のほとんどの鉄道会社では、所定の条件を満たせば犬と一緒に電車に乗ることができます。

ただし、人間と同じように「乗客」として扱われるわけではありません。鉄道のルール上、ペットは「手回り品(有料または無料の荷物)」という扱いになります。そのため、キャリーケースやクレートに入れて運ぶことが絶対条件となり、リードをつないだ状態でそのまま乗車することはできません。

犬を電車に乗せるための3つの大原則

どこの鉄道会社を利用する場合でも、以下の3点は共通の基本ルールです。

  1. 全身が隠れるケースに入れること
    • 顔や体の一部が出ている状態はNGです。
    • ドッグスリング(顔が出るタイプ)や、フタのないバッグは利用できません。
  2. サイズと重量の制限を守ること
    • 一般的に「長さ70cm以内」という制限があります。
    • 大きさは、「3辺の合計が120cm程度」と厳しめですが、都営地下鉄では「250cm以内」まで許容されています。
    • 重さは「ケースと合わせて10kg以内」が基本ですが、都営地下鉄では「30kg以内」まで許容されます。
    • 大型犬は、この規定サイズに収まらないため、基本的に電車に乗ることはできません。
  3. 他のお客様への配慮
    • 鳴き声やにおい、抜け毛などで周囲に迷惑をかけないよう対策が必要です。

※なお、盲導犬・介助犬・聴導犬などの身体障害者補助犬は、この限りではありません。法律に基づき、ユーザーと一緒に無料で車内に同伴することが認められています。

参考リンク

【鉄道会社別】犬の乗車料金とサイズ・重量規定一覧

犬を電車に乗せる際のルールで最も大きな違いは、「料金がかかるかどうか(有料か無料か)」です。
基本的にJRグループは有料
私鉄・地下鉄は無料であることが多いですが、サイズや重量の制限には共通点があります。ご自身が利用する路線の規定を必ずチェックしてください。

関東主要鉄道会社のペット同伴ルール比較表(2025年現在)

以下は、関東エリアを中心とした主要路線の規定一覧です。

鉄道会社料金サイズ制限(3辺合計)重量制限(ケース込)備考
JRグループ
(東日本/東海/西日本)
有料
290円
120cm程度10kg以内・「手回り品きっぷ」が必要
・動物専用ケースに入れること
東京メトロ
(銀座線/丸ノ内線など)
無料120cm以内10kg以内・他のお客様の迷惑にならないよう配慮が必要
・ケースに入れること
東急電鉄
(東横線/田園都市線など)
無料120cm以内10kg以内・JR直通時は、JR区間から料金が発生するケースあり
・全身が入るペット専用ケースに入れること
小田急電鉄無料120cm以内
(長さ70cm以内)
10kg以内・他のお客様の迷惑にならないよう配慮が必要
・ケースに入れること
京急電鉄無料120cm以内
(長さ70cm以内)
10kg以内・他のお客様の迷惑にならないよう配慮が必要
・ケースに入れること
相鉄(相模鉄道)無料120cm以内10kg以内・JR直通線を利用時は要注意(下記コラム参照)
・全身が入るペット専用ケースに入れること
都営地下鉄無料250cm以内
(一辺200cm以内)
30kg以内・他社よりサイズ規定が緩やか
・完全なケースに入れること

JR(在来線・新幹線)のルール詳細

JR各社(北海道〜九州まで共通)では、ペットは「有料手回り品」として扱われます。

  • 料金: 1個につき290円。距離に関わらず一律です。
  • 手続き: 乗車駅の「有人改札(駅員さんがいる窓口)」で、現物(ケースに入った犬)を見せて「普通手回り品きっぷ」を購入します。
  • 新幹線の場合: 在来線と同じく290円で乗車可能です。ただし、「ペット用の座席」として隣の席の指定席券を購入することは禁止されています。必ず飼い主の膝上か足元に置いてください。

私鉄・地下鉄のルール詳細

東京メトロ、小田急、東急などの多くの私鉄では、ペットの持ち込み料金は無料です。

  • 手続き: 切符を買う必要はないため、自動改札をそのまま通れます。ただし、ケースが大きくて通れない場合は、有人改札(幅広の通路)を利用しましょう。
  • 注意点: 無料だからといってルールが緩いわけではありません。「顔や体の一部が出ないこと」はJR以上に厳格に求められる場合があります。

【注意】直通運転を利用する場合の「落とし穴」
最近増えている「相鉄・JR直通線」や「メトロ・私鉄直通」などを利用する場合、料金体系が変わることがあります。
特に注意が必要なのは、私鉄(無料)からJR(有料)へ乗り入れるケースです。

  • 例:相鉄線(無料)の駅から乗って、JR直通線で渋谷・新宿(JR区間)へ行く場合。

この場合、本来はJR区間に入った時点で「手回り品料金(290円)」が必要になります。下車駅(JR)の精算所や改札窓口で「犬を連れています」と申告し、精算するのがスムーズです。

参考リンク

絶対に失敗しない!犬用キャリー・リュックの選び方

鉄道会社ごとのサイズ規定(3辺合計90〜120cm程度)をクリアしていても、「形状」がルール違反になってしまい、改札で乗車を断られてしまうケースがあります。
せっかくのお出かけを中止にしないために、正しいキャリーバッグ・リュックの選び方を知っておきましょう。

【最重要】「顔出し」「体の一部が出る」は絶対NG

多くの飼い主さんが誤解しやすいのが、「顔だけなら出していいだろう」という点です。
鉄道会社の規定には、「全身が隠れるもの」「容器に収納すること」と明記されています。以下のような状態は、原則として乗車NGです。

  • × ドッグスリング(抱っこひも)
    • 巾着タイプで顔を隠せるものであっても、布製で柔らかく「形状が固定されない」ため、多くの鉄道会社でNGとされる傾向にあります(JRでは「形状が固定されるもの」が推奨されています)。
  • × リュックから頭を出している
    • 「メッシュ窓」がついているリュックならOKですが、窓を開けて顔を出してはいけません。
  • × トートバッグ
    • 上部が完全に閉まらないもの、犬が自力で飛び出せるものは不可です。

【正解のキャリーとは?】

  • ハードクレート: プラスチック製で頑丈。最も安全で駅員さんにも止められにくい。
  • キャリーリュック(蓋付き): メッシュ窓があり、通気性が確保されつつ、外からは犬が触れない構造のもの。
  • ソフトキャリー: 形がしっかりしており、底が安定しているもの。

ペットカート(バギー)はそのまま乗れる?

「普段のお散歩に使っているペットカートで、そのまま電車に乗りたい」と考える方も多いですが、JRや多くの私鉄では、カートを組み立てた状態での持ち込みはサイズオーバーのため禁止されています。しかし、「分離型」のペットカートであれば持ち込みが可能です。※都営地下鉄など、一部の路線ではそのまま乗車できる場合もありますが、基本的には「分離・折りたたみ」が必要と考えておきましょう

  1. カゴ(コット)部分を取り外す:
    • カゴ部分は「手回り品(キャリーケース)」として扱われます。
    • このカゴのサイズが規定内(長さ70cm以内など)である必要があります。
  2. フレーム(骨組み)を折りたたむ:
    • フレーム部分は単なる「荷物」として扱われます。
    • 折りたたんで、他のお客様の邪魔にならないように持ち込みます。

【注意点】
改札を通る前に、必ず「分離」と「折りたたみ」を済ませてください。ホームや車内で分離作業をするのは、通行の妨げになるためマナー違反です。

参考リンク

当日の流れをシミュレーション!改札から乗車まで

準備ができたら、いよいよ当日です。駅に着いてから慌てないよう、改札の通り方や車内でのマナーを予習しておきましょう。

1. 駅に到着する前に(トイレ・水分補給)

駅構内や電車内で粗相をしないよう、駅に入る前に必ずトイレを済ませておきましょう
また、興奮を抑えるためにも、少し歩かせてエネルギーを発散させておくのがコツです。キャリーケースに入れるのは、駅の入り口やエレベーターに乗る直前に行います。

2. 改札を通る(JRと私鉄の違い)

JRの場合:有人改札へ行く

SuicaやPASMOを持っていても、犬連れの場合は自動改札を通りません。

  1. 「有人改札(駅員さんがいる窓口)」へ向かいます。
  2. 駅員さんにキャリーケースを見せ、「犬を連れています」と伝えます。
  3. 290円を支払い(現金または交通系ICカード)、「普通手回り品きっぷ」を受け取ります。
  4. きっぷを受け取ったら、ケースの取っ手など見えやすい場所にきっぷ(または付属のタグ)を取り付けます
  5. そのまま有人改札を通ってホームへ向かいます。

私鉄・地下鉄の場合:そのまま改札へ

多くの私鉄は無料なので、そのまま自動改札を通ってOKです。
ただし、キャリーケースやカートのフレームが大きい場合は、無理に通ろうとせず幅の広い改札(車椅子対応改札など)を利用するか、有人改札を通してもらいましょう。

3. ホームでの待ち方・乗車位置

  • 乗る車両:
    比較的混雑が少ない「先頭車両」または「最後尾車両」がおすすめです。運転席の後ろなどはスペースが確保しやすく、いざという時に人の密集を避けやすい場所です。
  • 待つ位置:
    ホームの端や柱の近くなど、通行人の邪魔にならない場所で待ちましょう。ケースを地面に置く際は、蹴られたりしないよう飼い主が壁になって守ります。

4. 車内でのマナーと置き場所

  • 基本ポジション:
    飼い主の「膝の上」か「足元」に置きます。
    たとえ空いていても、座席の上にケースを置くのは厳禁です(座席はあくまで人間用です)。
  • 吠えそうになったら:
    優しく声をかけるか、ケースの上から布(目隠しカバー)をかけて視界を遮断します。
  • 混雑してきたら:
    リュック型の場合は「前抱え」にするか、網棚には乗せず足元に置きます(網棚は落下の危険があるため推奨されません)。

5. 降りる時

  • JRの場合:
    降りる駅の改札でも、駅員さんにきっぷ(タグ)を確認してもらう必要があるため、有人改札から出ます。きっぷはそこで回収されます。
  • 私鉄の場合:
    通常の出口からそのまま出ます。

参考リンク

電車内で犬が「吠える」「騒ぐ」時の対策と準備

どれだけ準備しても、慣れない電車の音や揺れ、匂いに驚いて犬が吠えてしまうことはあります。
「うるさいと思われたらどうしよう」とパニックにならないよう、事前の対策と緊急時の対応を決めておきましょう。

1. 乗車前の「疲れさせる」作戦

最も効果的なのは、電車に乗る前にエネルギーを発散させておくことです。

  • 駅に向かう前に長めの散歩をする。
  • ドッグランで遊ばせてから乗車する。
    程よい疲れがあれば、電車の揺れが心地よい眠りを誘い、大人しく寝てくれる確率がグッと上がります。

2. 「目隠し」で視界を遮断する

犬が吠える原因の多くは、「知らない人が見える」「景色が猛スピードで動く」といった視覚的な刺激です。

  • 対策: キャリーケースにタオルや専用カバーをかけ、外が見えないようにします。
  • 効果: 視界が暗くなることで、クレートが「落ち着く巣穴」のような空間になり、安心感が増します。

3. お気に入りのおやつ・おもちゃを用意

どうしても落ち着かない時のために、コング(おやつを詰められるおもちゃ)や、匂いの少ないおやつを用意しておきます。
ただし、ガサゴソと音を立てたり、強い匂いのするおやつを与えたりするのは周囲への迷惑になるため、サッと与えられるものがベストです。

4. それでも吠え止まない時は「途中下車」する勇気を

何をしても吠え続けてしまう場合は、愛犬がパニック状態になっている可能性があります。
無理に乗り続けず、一度電車を降りてホームや改札外で休憩させてあげてください。
「迷惑をかけている」と焦る飼い主の緊張は犬にも伝わります。一本電車を見送るくらいの余裕を持つことが、結果的に一番の近道です。

よくある質問(Q&A)

最後に、細かいけれど気になる疑問にお答えします。

Q. リードのままで乗れる電車は日本にありますか?
A. 一般的な鉄道ではありません。
海外(ヨーロッパなど)ではリードのみで乗れる国もありますが、日本の鉄道会社(JR・私鉄・地下鉄)では、必ず全身が入るケースに入れることが義務付けられています。

Q. 混雑していない時間帯なら、ケースから顔を出していいですか?
A. いいえ、いつでもNGです。
車内の混雑具合に関わらず、駅構内および車内では常にケースの蓋を閉めておく必要があります。

Q. 新幹線の座席で、ケースをテーブルに置いてもいいですか?
A. マナーとして推奨されません。
テーブルは飲食に使われる場所であり、衛生面を気にする乗客もいます。また、揺れで落下する危険性もあるため、足元か膝上が基本です。

まとめ:ルールを守って、愛犬と快適な電車旅を

犬との電車移動は、最初はハードルが高く感じるかもしれません。しかし、以下の3つのポイントさえ押さえれば、安全で快適に楽しむことができます。

  1. 利用する路線の料金とサイズ規定を確認する(JRは290円、私鉄は無料が多い)。
  2. 「全身が隠れる」キャリーケースを用意する(顔出し・スリングはNG)。
  3. 事前のトイレと運動で、愛犬のストレスを減らす

車がなくても、電車を使えば愛犬との行動範囲はぐっと広がります。まずは一駅、二駅の短い距離から練習を始めて、少しずつ慣らしていってはいかがでしょうか。
正しいルールとマナーで、愛犬との素敵な思い出を作ってくださいね。

参考リンク

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